2021年に新卒でSO Technologiesへ入社し、現在は広告運用を通じて全国44都道府県の中堅・中小企業を支援している佐藤さん。生成AIや自動化を活用した業務改善にも取り組み、準MVPを受賞するなど成果を上げています。
ただ、佐藤さんが一貫して見ているのは「効率化」そのものではありません。限られた予算や人手の中で、どう支援の質を上げていくか。そんな視点で仕事に向き合ってきた5年間について伺いました。
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一人で代理店を担当して、仕事の見え方が変わった
─ まず、今の佐藤さんにつながる転機から教えてください。
大きな転機だったのは、3年目以降に一人で一つの代理店を担当することになったことです。
それまでは、大きな案件を5人くらいのチームで運用していました。もともと取引のあるお客さまだったので、フローや関係値がある状態で運用に入っていたんです。
でも、大型顧客が内製化で解約になったことをきっかけに、自分一人で代理店を担当することになりました。そこは結構大きなチャレンジでした。
─ どういうところが難しかったんですか?
全部が壁でした(笑)。
フローも関係値も一から築き直さなければいけなかったので、自分で考えて自分で決める場面がすごく増えました。
あとは、人の巻き込み方も難しかったです。自分で進めることが多いとはいえ、上司に報告したりフィードバックをもらいに行ったりすることも必要なんですけど、そこはもともと苦手で。そこも壁でした。
─ そこはどう乗り越えていったのでしょうか。
その時期に上司から繰り返し言われていた「やることはちゃんとやりましょう」「ボールは持たないほうがいい」といったフィードバックが、仕事の進め方の土台になっていったんだと思います。
新しいことに挑戦するのは、性格的にちょっと億劫になってしまいがちだったんですが、「やることはちゃんと淡々とやる、仕事だからやることはやる」というマインドに移っていけました。
あと、SOTの同僚からも影響を受けました。
前任の担当者は「こうすればいいじゃん」と、ざっくばらんに案をたくさん出してくれる方で、様々な意見をもらえました。また別のチームの方は、他チームのメンバーも巻き込みながら進めていたりして、そういう人たちとの関わりも大きかったと思います。
ROAS1000%改善。その先で、お客さまが自走できる状態まで支援したい
─ 中小企業支援に向き合う中で、特に印象に残っているお客さま支援の事例はありますか?
EC支援を担当していたときのお客さまですね。アパレルECで、広告予算としては10〜30万円くらいと小さくて、社員数も約100名、先方では広告運用担当が1名で広告を回している状態でした。
当時のお客さまは、「とりあえず自社で広告配信はしているけれど、何を改善すればいいか分からない」という課題を抱えていて、広告管理画面の見方も分からず、成果状況を正しく把握できていない状態でした。
そこで、広告成果をスプレッドシートに整理・可視化して、お客さま自身でも状況を確認できる環境をつくりました。あわせて、配信中広告の整理やフィード情報の見直しも一緒に進めながら、お客さまが抱えている不明点や不安を一つずつ解消できるよう意識して向き合いました。
その結果、お客さま自身も前向きに改善へ取り組んでくださるようになりました。
効果が見え始めたのは5か月後です。フィード情報を整えたり、効果の良い画像やブランドを見つけたりするのに時間がかかりましたが、ROASは配信当初から1000%以上改善しました。
特に印象に残っているのは、「成果はもちろん、困っていたことを確実に解決してくれて本当に助かりました」と言っていただいたことです。
最終的にはサービスから離れる形にはなったんですが、その頃にはお客さま自身で広告運用ができるほど理解を深めてくださっていました。
成果改善だけではなく、お客さまが自信を持って運用に向き合える状態まで支援できたことが、今でも印象に残っています。
─ かなり理想的な支援ですね。
個人的には、広告運用の価値って、配信設計や成果改善だけではなくて、担当者様が抱える課題や不明点を整理して、一緒に解決するところまで含まれると思っています。
成果でお返しすることはもちろんですが、せっかくのご縁なので、もし他に困っていることがあれば一緒に解決できたらいいな、という気持ちで仕事をしています。
限られた予算や体制の中で運用している中小企業のお客さまも多いので、単に配信を回すだけではなく、長期的な視点で「どうすればお客様の課題を解決できるか」まで考えることが大事だと思っています。
AI活用は、効率化のためだけじゃない
─ 佐藤さんは自動化やAI活用でも評価されていますが、仕事の進め方はどのように変わりましたか?
自動化に取り組む前は、毎日ルーチンワークやダブルチェックみたいな作業に一日の大半の時間を使っていました。
フローがなくて手作業だった部分は、心配のあまり何回も確認してしまったりして、心理的負担も大きかったですし、必要以上に時間がかかっていたなと思います。
でも、自動化やフロー策定をした後は、よりお客さまの成果を上げるための施策実行に時間を使えるようになりました。
午前は作業、午後は思考、みたいに時間を使い分けられるようになって、案件をより前に進められる感覚がありました。
─ 佐藤さんにとって、AIや自動化は何のためにあるものだと感じていますか?
現場視点で言うと、SO Technologiesでは特に地方を支援しているので、地方を支援するための手段なんだと思っています。
自分のお客さまの案件でもそうなんですが、地方のお客さまって広告に出せるお金がかなり少ない。でも成果は出さないといけないし、成果を出すためには、お金だけじゃなくて運用する人の工数も必要なんです。
だから、「自分の手がもう一本あればな」と思う瞬間が本当に多くて。そういうところでAIを活用していけたらいいなと思っています。
最終的には、お客さまのニーズに合わせたAIを提供できることが理想ですけど、今の現場目線で言うと、地方のお客さまや弊社の運用者が成長するための手段の一つ、という感覚です。
「やりましょうか」で拾った小さな困りごとが、今の強みになった
─ そもそも、どうしてそこまで自動化に取り組めるようになったのでしょうか。
私は文系だったので最初から詳しかったわけではなく、GASみたいな自動化ツールの知識は本当にない状態で入社しました。
ただ、前任の方が自動化に注力されていたり、入社後も部長から「自動化がんばって」というようなお声がけをよくいただいていたので、意識はしていた部分でした。
でも、何をどう自動化すればいいか最初は分からなかったんです。
その中で、上司や周囲から上がっていた課題感や、誰かから飛んできた質問に対して、「やりましょうか」とか「調べてみます」みたいなスタンスで拾っていくようになりました。
そうやって少しずつ拾っていく中で、自分の中で「こういうことができるんだ」「こういうやり方があるんだ」と分かるようになっていって、自動化周りのスキルがついてきたんだと思います。
やってみたらパズルみたいな感覚で、自分には結構合っていたというのもありました。
─ 「まずはやってみる」が、そのまま成長につながっている感じですね。
そうですね。自分の経験としても、自動化や仕組み化、EC向けフィード広告など、既存業務の枠を超えたチャレンジで学べたことが多くて。
そのときにはすぐ成果につながらなくても、1年後に活きる、みたいな経験が結構あったんです。
だから、若手の子にも、広告運用だけに閉じずに、機会があればいろいろ手を挙げてみてほしいなと思っています。
中小企業支援を本気で続けるには、個人の頑張りだけでは足りない
─ 中小企業支援を本気で続けていくために、個人の頑張り以外で必要なことは何だと思いますか?
成功・失敗事例を組織内でナレッジ化することは、マストで必要だと思います。
中小企業のお客さまにとって、広告費は限られた予算の中からご用意いただいていることも多いので、その分、運用者も責任をもって成果でお返しする必要があると感じています。
もちろん個人が頑張ることでも成果は出ると思いますが、誰がどの案件を担当しても一定水準の支援ができる体制ができたらいいなと思っています。
また、中小企業支援って広告運用だけではなくて、広告以外にも課題が多いんです。
なので、広告運用だけで完結させるのではなく、制作や営業など他部署とも連携しながら、組織の力でお客さまの課題を長期的に支援できる体制ができたらいいなと思っています。
ミスを責めない。仕組みで防ぐ。その文化が、支援の質を上げた
─ 佐藤さんは、250社ほどの多くの案件を担当しながら大きなミスやトラブルを防いできた印象もあります。
ミスは、当然できるだけ防がないといけないと思っていますし、自分自身もミスをするとかなり落ち込んでしまうタイプです。
ただ、入社後はミスを連発した時期もありました。そのたびに当時の上司からは、怒られるのではなく「どうやったらミスを防げるか」「再発防止に力を入れよう」というフィードバックをもらっていました。
予算のミスがあった時も、手動でチェックを増やす、という方向ではなくて、機械の力を頼ってミスしない仕組みをつくろう、という話をしてもらえて。
そういうフィードバックがあったからこそ、ミスを責めるのではなく、仕組みで防ぐという考え方が自分の中に入ってきたんだと思います。
怒られたことはほとんどなくて、むしろ「これはしょうがないけど、再発防止はちゃんと考えよう」と一緒に時間を取ってもらえることが多かったです。
そういう環境だったからこそ、ミスを個人の問題として抱え込むのではなく、仕組みとしてどう防ぐかを前向きに考えられるようになりました。
フォローしてもらった側から、今度は返していく側へ
─ 今は後輩を見る立場にもなってきていますよね。
はい。昨年からOJTを担当しているんですが、単に業務を教えるだけではなくて、その子の働き方にヒントを与えられたらいいなと思っています。
先ほどもいった通り、私自身ミスをした時に否定されず、「どうしたらミスがなくなる業務フローになるか」を一緒に考えていただいた経験がありました。
それが今の仕事観につながっているので、後輩にも同じように返していきたいです。
あとは、SOTならではのホスピタリティみたいなところも、自分が体現することで伝えられたらいいなと思っています。
SOTの人たちは相手を慮る、人のために動く、優しいフォロー、そういう姿勢があるなと思っていて。新卒・中途問わず新しい方々を歓迎して、チームの一員として育てる、という風土があるなと感じます。
また、Slack中心の働き方だからこそ、前提条件をきちんと伝えることや認識のすり合わせ、感謝を言葉で伝えることは意識しています。
先輩たちもそういうコミュニケーションをしていたので、そこから学ばせてもらった部分が大きいですね。
「為せば成る」。まず動くことを大事にしながら、支援の幅を広げていきたい
─ 最後に、佐藤さんが大事にしている言葉を教えてください。
「為せば成る 為さねば成らぬ 何事も」です。
もともと怠惰な性格なんですけど、勇気を出して行動した時ほど、良い結果が返ってくることが多かったので、自分を奮い立たせる言葉として大切にしています。
仕事の中でも、やったことがないことに手を挙げたり、少し踏み込んで挑戦してみたりした経験が、今の自分につながっていると感じています。
だからこそ、これからもまず動いてみることは大事にしていきたいです。
─ その言葉を大事にしながら、これから挑戦していきたいことはありますか?
今は全国44都道府県のお客さまを担当していて、あと3県で全国制覇なんです!
なのでもう少し自分が関われる範囲を広げて、隅々まで支援できたらいいなと思っています。
あとは、まだ触ったことがないAIツールもたくさんあるので、部内の案件で活かせるものが何なのか、これからも探っていきたいです。
そうやって自分ができることを少しずつ増やしながら、全国の中小企業や、困っている人を助けられるようになれたらいいなと思っています。
─ ありがとうございました!